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新薬承認までの期間が長い 米国並みに短縮へ 常に安全性を意識

平成20年4月10日掲載

質問

65歳男性。日本は欧米に比べて新薬の承認にかかる期間が長いので、なかなか新薬を使うことができず、がんや難病の方には大きな問題となっていると聞きました。日本はどうしてそんなに遅れているのですか。

回答

新薬を使おうとする場合、製薬企業が有効性や安全性に関する試験を行い、そのデータを国に提出して審査を受け、「承認」を得るのが原則です。そのため、ある国ではすでに承認されているが別の国では未承認、というケースが発生します。

日本の場合、海外で認された薬が日本で承認されるまでの期間は平均で4年ですが、日本製薬工業協会の調査によれば、最も承認までの期間が短い米国に比べ約2.5年も長くかかっています。

このように承認が長引く原因として、新薬の審査の基準や体制が整っていないこと、また、治験(薬の候補を実際にヒトに用いて行う試験)の基準や環境が整っていないこと、などがあります。

しかし、新薬には「使用経験が少ない」というリスクがあることも忘れてはなりません。新薬の開発段階では、ごく限られた数のヒトを対象として試験を行っているため、その薬が世に出て多数の方に使われ始めると、予想もしなかった副作用が見つかる可能性や、日本人という人種差による特有の副作用が発現することも考えられます。

昨年10月、厚生労働大臣が「新薬の承認にかかる期間を米国並みにする」と発言し、日本でも新薬承認のスピードアップが進みますが、安全性についても常に意識していきたいものです。

大石順子 社団法人静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター主幹

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