静岡新聞「薬の相談室」
新ニキビ薬の作用や購入先は—炎症前の面ぽうに効果、皮膚科で処方
質問
21才女性。今までとは異なる作用のニキビの薬が発売になったと聞きました。効果や副作用、そして、どこで買えるのか教えてください。
回答
ニキビは目に見えない小さい毛穴のつまりからはじまり、目に見える白や黒色のニキビ(面ぽう)が形成されます。その後、増殖したニキビ菌やたまった皮脂による炎症で赤いニキビができ、炎症が周囲の皮膚組織に広がり、時には皮膚にニキビの痕が残ることもあります。
日本では、これまでニキビに使用されていた薬は赤いニキビの段階でしか効果がなく、その効果も限られ1日2回以上使用する必要がありました。
新しく発売されたアダパレン(商品名:ディフェリンゲル)は1日1回就寝前に塗布することで、主に炎症が起こる前の面ぽうに対して効果を発揮し、炎症性ニキビへの進展も抑制することができます。
アダパレンは既に欧米など80カ国で販売されており、ニキビ治療に対する有用性が高いことが実証されています。
塗り始めの2週間に皮膚が乾燥したり、ヒリヒリする、細かくはがれる、赤くなる、かゆくなるなどの症状が起こることがありますが、アダパレンを塗布する前に低刺激性保湿化粧品などを使用すると、そのような皮膚障害を減らせます。
なお、動物実験において経口投与で催奇形作用が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある方は使ってはいけません。
アダパレンは処方せん医薬品です。使用については皮膚科医にご相談ください。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター主幹
大石順子