静岡新聞「薬の相談室」
筋肉痛に効く市販薬—ビタミンB群含む滋養強壮剤 鎮痛成分入った湿布薬が有効
質問
56才の男性。普段から運動をしていないので、たまに運動した後は筋肉痛に悩まされます。年を取ったせいで、筋肉痛はかなり後から来るようですが、筋肉痛に効く市販薬など、上手な付き合い方を教えてください。
回答
筋肉痛は、運動中に痛んで運動を中止するとなくなる現発性筋肉痛と、運動後数時間から1~2日後に痛みが生じて1週間程度で消える遅発性筋肉痛があり、運動の後で苦しむ筋肉痛は後者です。
遅発性筋肉痛は、持ち上げたダンベルをゆっくり下げるときの上腕部や、階段を下るときの太ももの筋肉のように、縮めた筋肉が伸ばされる(伸張性収縮)運動で筋肉の周りの結合組織に小さな傷がつき、炎症が起こります。傷自体は痛みを感じるものではありませんが、炎症により痛みを感じる神経が過敏になるため、体を動かして筋肉が圧迫されたりすると痛みが起こります。
このような痛みには、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12)などが含まれている滋養強壮剤や、鎮痛成分が含まれた湿布薬などが勧められます。
けがの予防からも準備運動や整理運動、運動後に筋肉を冷やすアイシングのほかに、事前に少しでも運動しておくことで筋肉痛は軽減します。
なお、「筋肉痛は年をとるほど後から来る」と言われていますが、年齢差よりも運動の種類や個人差により筋肉痛が来る時間が異なるため、「後からの筋肉痛は年をとった証拠」ということは科学的には証明されていません。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子