静岡新聞「薬の相談室」
骨粗しょう症のB錠を処方される—逆流させないため服用法注意 咽喉頭など粘膜への刺激防ぐ
質問
75歳の女性。20年近く骨粗しょう症とぎっくり腰を患い、圧迫骨折で背中に鈍痛があるためビスホスホネート系薬剤(商品名:ボナロン、以下B錠)が処方されています。逆流性食道炎があり、ランソプラゾール(商品名:タケプロン)を服用中ですが大丈夫でしょうか。骨粗しょう症は治らないといわれていますが、薬をのみ続ける必要があるのですか?
回答
骨粗しょう症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気です。最初は、自覚症状はありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。
治療には薬が使われますが、老化によって減ってしまった骨を若いころのように戻す薬はありません。しかし、早期治療により骨粗しょう症による骨折がかなり防げるようになっています。現在服用されているB錠は、骨の吸収(骨が溶ける)を抑える薬で、骨量を増やし骨を折れにくくします。
また、逆流性食道炎が心配とのことですが、B錠は、咽喉頭や食道などの粘膜へ局所刺激症状を引き起こすおそれがあります。そのため、速やかに胃内へと到達させ、逆流させないことが重要になります。以下を守って服用してください。
(1)起床してすぐにコップ1杯の水(約180mL)とともに服用し、(2)噛んだり又は口中で溶かしたりしない、(3)服用後、少なくとも30分経ってからその日の最初の食事を摂り、食事を終えるまで横にならない、(4)就寝時又は起床前に服用しない。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子