おくすり相談 Medicine

静岡新聞「薬の相談室」

子宮頸がんの予防法—若い女性の患者増加 ワクチン接種と検診

質問

23才の女性。子宮頸がんのワクチンが発売されたと新聞で読みました。予防法は。

回答

子宮頸がんは女性特有のがんで、近年20~30歳代の患者が増えています。ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因でおこり、性経験のある女性の80%が感染を経験し、それが持続感染となっている10%程度の女性のうち、ハイリスクタイプのHPV16型、18型などに感染していると、5~10年後に子宮頸がんが発症します。

世界では、すでに予防ワクチンの公費接種が広く行われていますが、日本では昨年12月に国内初の子宮頚がん予防ワクチン「サーバリックス」(グラクソ・スミスクライン株式会社)が発売されました。このワクチンを6カ月の間に3回接種して免疫をつくることにより、体内に侵入してきたHPVの感染をブロックすることができるようになり、効果は少なくとも20年以上期待できるといわれています。

性経験のある誰もがHPVに感染しうること、若い女性にHPV感染が増加し子宮頸がんに羅患(りかん)する人も増えていること、進行すれば子宮や卵巣を失うばかりでなく生命を落とす可能性があること、たとえ命が助かっても排尿障害、性交障害などの後遺症が残ることなどを考えれば、ワクチンの接種が勧められます。(希望者は、お近くの産婦人科にて相談してください。)

一方でHPV 16型、18型以外による子宮頸がんもあるため、子宮頸がん検診も欠かせません。ワクチン接種と子宮頸がん検診というダブルの予防で、子宮頸がんから命を守りましょう。

(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子

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