静岡新聞「薬の相談室」
骨粗しょう症用のB錠について—カルシウム溶出抑える働き 服用法注意し副作用を回避
質問
70歳の男性。腰痛のためリセドロン酸ナトリウム水和物(商品名:ベネット錠17.5mg、以下B錠)を2年前からのんでいます。1週間に1度の割合ですが、副作用はいかがなものでしょうか。歯を治療する際の注意も言われています。この薬について教えてください。
回答
B錠は骨粗しょう症の治療薬です。骨粗しょう症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気で、最初は自覚症状がなく、腰や背中に痛みが生じて医師の診察を受けてからみつかることが多く、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。
B錠は、骨からカルシウムが溶け出すのを強力に抑える働きがあり、骨量を増やし、骨折を予防する薬で、1週間に1回の服用で効果があります。
気をつけたいのは、早朝空腹時に服用し、服用後30分は食物をとらないようにすることです。副作用として、胸やけなどの消化器症状、特に食道潰瘍が報告されていますので、服用後はすぐに横たわらないで下さい。
また、歯の治療の際に、顎骨壊死(がっこつえし)という顎の骨が腐る可能性が指摘されていましたが、顎骨壊死の発症には口腔細菌の感染が大きな引き金であり、専門家による口腔清掃により予防することも可能であることがわかってきています。B錠を服用中は口腔内を清潔に保ち、歯の治療を受ける場合には、B錠を服用していることを歯科医師または口腔外科医師に伝えてください。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子