おくすり相談 Medicine

静岡新聞「薬の相談室」

肺炎球菌ワクチンの2回目—1回接種で5年以上免疫持続

質問

81才の女性。20代で結核をやっています。平成14年肺炎のワクチン注射をやりました。それ以前は度々、肺炎にかかりました。総合病院で今度、2回目のワクチンが打てるようになったと聞きました。できれば打ちたいと思います。

回答

結核とは、結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。肺炎は、さまざまな病原菌の感染によって肺に炎症が起こった状態のことで、高齢者の肺炎の原因として最も多いのは、肺炎球菌の感染です。したがって、相談者が接種した予防注射は、肺炎球菌ワクチンと思われます。このワクチンは、2回打つと副作用が強く出る心配もあり、日本では一生に1度しか打つことができませんでしたが、このほど、再接種ができるようになりました。1回接種すれば5年以上免疫が持続するとされています。

これからインフルエンザが流行し始めますが、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの両方を打つことにより、肺炎の予防効果が高まることが確かめられています。既に肺炎球菌ワクチンを接種されている人は、インフルエンザワクチンを毎年接種してください。

また、肺炎を繰り返す人には、食べ物を上手く飲み込めない人が多く、気道へ食べ物が入り込むのを防ぐ喉のフタが反応しにくいことがわかっています。しかし、歯ぐきを刺激すると脳が活性化し、フタのしまりが早くなることもわかっています。歯だけでなく、歯ぐきも柔らかめの歯ブラシで3~5分ほどみがき、肺炎の予防に役立てることも大切です。

(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子

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