静岡新聞「薬の相談室」
新型インフルへの対応と予防法—受診前に医療機関に電話 うがいや手洗いで感染防止
質問
新型インフルエンザの流行が始まり、脳症になったり、死亡することもあって心配です。もし、新型インフルエンザにかかったかもしれないと思ったらどうすればよいのでしょうか?また、予防方法を教えてください。
回答
現在流行中の新型インフルエンザは、ウイルスが強毒化したわけではなく、ほとんどの人が免疫をもっていないため、きわめて伝染性が強いことが特徴です。病原性(毒性)は通常の季節性インフルエンザの致死率の0.1%よりも高く0.5%ですが、タミフルなどの抗ウイルス薬は効果があります。
現在は、すべての一般医療機関で感染者を診察し、軽症者は自宅療養としています。受診する場合は、まず医療機関に電話をして、発熱患者対応の診療時間や入り口などを確認し、受診の際は必ずマスクを着用してください。
インフルエンザは健康な人の多くにとっては一過性の病気です。しかし、基礎疾患を患っている場合、インフルエンザに罹患すると重症化し、死亡することもあります。喘息、心疾患、腎疾患、糖尿病等の基礎疾患のある人や、乳幼児、妊婦では注意が必要です。
今後、秋冬に向けて、さらにインフルエンザの流行が拡大されることが予想されます。冷静な対応や手洗いやうがいの励行など、感染拡大防止策を徹底してください。
新型インフルエンザについては、静岡県厚生部(TEL:054-221-8560)に相談窓口が設けられています。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子