静岡新聞「薬の相談室」
睡眠時服用時の夜食は—食事摂取で過度の効果も
質問
46才男性。睡眠薬のクアゼパム(商品名:ドラール)を処方してもらったのですが、空腹時に飲むように言われました。帰宅が遅いので、夜食のお茶漬けを食べたり、温めた牛乳を飲むことがよくあるのですが、ダメでしょうか?薬は食後に服用する方が胃のためにもよいと思っていました。
回答
クアゼパムは、胃の中に食物があると、薬の吸収が高まり、空腹時の2~3倍の効果になることが報告されています。このため、「就寝前の空腹時に飲み、飲んだ後は夜食などを摂らないでください」と注意があります。食事摂取のタイミングによっては、クアゼパムの消化管吸収が亢進し、その結果、血液中濃度が上昇して、過度の鎮静や呼吸困難が起こる可能性も否定できません。夜食にちょっとお茶漬けを食べたり、間食したり、牛乳を飲むことは避けるようにしてください。どうしても、夜食の習慣を止められないようでしたら、主治医と相談して処方を変更してもらいましょう。
薬を服用する時間は、ほとんどが食事を中心に決められています。これは、食事をすることで、薬の飲み忘れを防ぐことが主な理由です。また、鎮痛薬は胃を荒らすから食後に服用することもあります。
しかし、食事により効き目が増減したり、副作用が強くなったりする場合もあり、服用方法をきちんと守らなければいけません。
処方された薬について心配な事は、きちんと主治医や薬剤師から説明を受けるようにして下さい。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子