静岡新聞「薬の相談室」
日焼け止め、どう選ぶ—敏感肌には紫外線散乱剤を
質問
紫外線を浴びすぎると、しわ、シミ等の原因となるだけでなく、時には悪性の腫瘍や白内障などを引き起こす、と聞き心配です。皮膚が弱いのですが、どのような日焼け止めを選べば良いのですか?
回答
昔は真っ黒に日焼けしているのが元気な子、と思われていましたが、最近では、オゾン層が減り、有害な紫外線も増えてきました。母子健康手帳からも「日光浴」の文字がなくなり、「外気浴をしていますか?」(天気の良い日に薄着で散歩するなどしてあげましょう)と記載されるようになりました。
紫外線による害を防ぐには、日焼け止めを上手に使うのが効果的です。日焼け止めには、液状(2 層タイプを含む)、クリーム、乳液、スプレー、シート状など多くのタイプがありますが、いずれの日焼け止めにも、紫外線防止剤が配合されています。
紫外線防止剤にはアレルギーをほとんど起こさない紫外線散乱剤(無機系素材)と、まれにアレルギー反応をおこす紫外線吸収剤(有機系素材)の2つに分けられ、子ども用や皮膚の敏感な方用には紫外線散乱剤だけのものが多く、「紫外線吸収剤無配合」とか「紫外線吸収剤フリー」あるいは「ノンケミカルサンスクリーン」といった表示がされています。
日焼け止めの効果は、SPF(Sun Protection Factor)では1から50+まで、PA (Protection grade of UV-A)では、+から+++まで表示されていますが、不必要に高い効果を持つものではなく、いつ、何をする時に使用するかによって適切な日焼け止めを選ぶことも大切です。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子