静岡新聞「薬の相談室」
目薬を上手にさす方法は—げんこつを台に点眼 市販補助器の利用も
質問
目薬をうまくさせないのですが、良い方法はありませんか? 正しい点眼方法を教えてください。
回答
目薬をさす前は必ず、手を石けんできれいに洗います。次に、顔を上に向け、人さし指で下まぶたを引いて、目やまつ毛に直接触れないように、下まぶたに1滴滴下します。人間の目は1滴以下の目薬しか入りませんので、よく効かせようと思って一度に何滴もつけることは意味がなく、また、目の真ん中に点眼する必要もありません。
その後、静かにまぶたを閉じ、親指と人さし指で両方の目頭をやさしく押さえてください。あふれた点眼薬は、清潔なガーゼで拭き取ります。
さした後、目をパチパチする人もいますが、目薬の成分が目頭から鼻からのどへと流れてしまいますから、避けます。
うまくさせない場合は、「げんこつ法」をためしてみましょう。利き手で容器を持ち、反対側の手でげんこつを作って、げんこつを台にしてさす方法です。
それでもダメな場合は、点眼補助器が市販されていますので、薬剤師に相談してください。
目薬をさした後はしっかりキャップをして、袋に入れて不潔にならないようにしましょう。直射日光を避け、なるべく涼しい場所に保管してください。「冷暗所保存」となっているものは、冷蔵庫にしまうと良いでしょう。
開封後は汚染防止のため、1カ月前後を目安として廃棄するようにし、家族や職場の同僚間での目薬の使い回しはしないでください。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子