静岡新聞「薬の相談室」
睡眠薬飲んでも眠れない—起床時刻など生活習慣も大切
質問
59才の女性。10年前から不眠が始まり、4年ほどは薬を飲めば眠れました。その後、飲んでも全く眠れなかったり、寝ても3時間が最長という具合です。現在、睡眠薬のフルニトラゼパム(商品名:サイレース)、クアゼパム(ドラール)を飲んでいます。薬に慣れてしまったのでしょうか。薬以外に、日常生活の中で眠れる方法がありましたら、それも教えてください。
回答
(回答) 服用されているフルニトラゼパムとクアゼパムは、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、長期に服用し続けても効果が弱まることはほとんどありません。
また、快適な睡眠をとるためのポイントは、起床時刻を一定にする、起床後には太陽光を十分に浴びる、就寝前にはリラックスを心がけるなどの生活を習慣づけることが大切です。
厚生労働省は、平成15年に「健康づくりのための睡眠指針~快適な睡眠のための7箇条~」として、
- 1.快適な睡眠でいきいきした健康生活
- 2.睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター
- 3.快適な睡眠は、自ら創り出す
- 4.眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる
- 5.目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン
- 6.午後の眠気をやりすごす
- 7.睡眠障害は、専門家に相談
を策定しました。
詳細は厚労省のホームページでも見ることができます。自らの生活の中に取り入れられそうなものを自分の生活に合わせて実践していきましょう。
(社)静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
大石順子