A1.
室内濃度を低減するため換気の励行をする。また、発生源が特定できた場合は撤去する。
A2.
可能性のある材料の例として、合板、バーティクルボード、断熱材、複合フローリング…など。
発生源となる可能性のある教材・文具・日用品は、接着剤、塗料、油性フェルトペン…など。
人体への影響として、不快感、流涙、目・鼻・のどへの刺激、頭痛、脱力感、めまい、吐き気などの症状を起こすことがあります。
A3.
空調と換気は異なるものであり、換気は必要です。
A4.
児童生徒等がいない教室等において、30分以上換気の後5時間以上密閉してから採取し、ホルムアルデヒドにあっては高速液体クロマトグラフ法により、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレンにあってはガスクロマトグラフ−質量分析法により測定した場合に限り、その結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教室等の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができます。なお、著しく基準値を下回る場合とは、基準値の1/2以下です。
A5.
工事業者が引き渡し前に、検査を実施することが多いようです。実施がない場合、速やかに検査を実施するよう助言してください。
A6.
多少の出入りなら問題はない。入口に注意書きを貼るなどして対策を。
A1.
近年、アレルギー症状のある児童生徒等が増加しているとの指摘がある。ダニ又はダニアレルゲンは、アレルギーを引き起こす要因の一つであることから、「快適で健康的な住宅に関する検討会議報告書(平成10年8月、厚生労働省)」等では、健康で快適な住居環境を維持するためにダニやダニアレルゲン対策が重要であるとされている。学校においては、保健室の寝具や教室等に敷かれたカーペット等でダニ数やダニアレルゲン量が多いとの報告もあり、保健室の寝具、カーペット敷の教室等、ダニの発生しやすい場所について検査する。
A2.
毎学年1回定期に「温度及び湿度が高い時期」に行います。ダニの発生しやすい場所において1㎡を電気掃除機で1分間吸引し、ダニを捕集する。捕集したダニは、顕微鏡で計数するか、アレルゲンを抽出し、簡易法(マイティーチェッカー、ダニスキャン)により検査する。
A1.
カーテンで照度差は小さくなるが、薄手よりやや厚手のカーテンまたはブラインドで。差が出る場合、廊下側だけ照明器具を常設補助照明として常時点灯。黒板面がまぶしい場合は、つや消しにしたり、光沢の原因となる光源や窓を覆ってまぶしさを防止。
A2.
メーカーに依頼
A3.
照明学会から提案されているので参考にしてください。
(照明学会照明普及会編:照明教室63 照明コンサルティングQ&A(1987))
場所 | 汚れやすい場所 | 普通の場所 | 清潔な場所 |
---|---|---|---|
空ぶき | 1週間 | 2週間 | 4週間 |
水洗い | 4週間 | 8週間 | 16週間 |
A4.
人工照明に全面的に依存しているので、暗くなってから検査する必要があります。
A1.
受水槽の水量に比べて使用量が少ない、連休等で滞留時間が長くて遊離残留塩素が消費されてしまったと考えられる。十分の水を流してから測定する。それでも遊離残留塩素が出なければ、配管内部の異常なども考えられるので、校長(教育委員会)に報告し、業者等による給水の施設・設備の点検等による原因究明調査を行い、必要な改善処置を講じる。
A2.
配管の老朽化による鉄さびがほとんど。滞留時間が長い系統の蛇口ではまれにある。あまりにひどいようなら配管の交換などを校長(教育委員会)に助言する
A3.
塗装臭、油臭、金属管の材質の溶出による金属臭。配管系の水の入れ替えをする。それ以外の異常などが考えられる場合、校長(教育委員会)に報告し、業者等による給水の施設・設備の点検等による原因究明を助言する。
A4.
毎日1回以上の遊離残留塩素を測って、0.1mg/L以上であることを確認します。冷却タンク内長期滞留を防ぐために、毎朝、タンク内の水を入れ替えることが必要です。
A5.
給水系統の代表的な末端の給水栓から採水して行う。高置水槽がある場合は最も下の階になり、高知置水槽がない場合は最上階となる。
A6.
水道水がいくらきれいでも、蛇口の先端が汚れていると一般細菌・大腸菌が不適合となることがある。金属製の蛇口であれば、その先端をライター等の火で滅菌してから検査する。
A1.
取り除き、念のため遊離残留塩素濃度を0.7~1.0mg/Lとし、必要であれば水質検査をするように助言する。ガラス等の場合は水の総入れ替えが必要なこともあります。プールの閉鎖・全換水の決定は校長(教育委員会)であり、あくまで薬剤師は指導・助言のみです。
A1.
塩素消毒を強化する。遊離残留塩素の濃度を2~3mg/L程度に上げて循環ろ過装置を運転しながら行う。その後、0.4mg/L以上1.0mg/L以下の遊離残留塩素が確認できてから大腸菌の再検査を行う。また、pHがアルカリ性に移行していることがあるので、中性付近に調整する(pHが高いほど殺菌力が弱くなるため)。原則は一時プールの使用を中止し、速やかに再検査を行い陰性が確認されるのを待って再開する。事前に学校・教育委員会側と打ち合わせてその結果・内容にしたがう。使用の中止をしない場合もある。
A1.
プールの使用期間中に、使用日数の積算が30日を越えない範囲で少なくとも1回実施する。総トリハロメタンについては、使用期間中に1回以上適切な時期に行う。
A2.
【水温管理の目安】
低学年や初心者ほど水温に敏感で、一般的に22℃未満ではあまり学習効果は期待できません。そのため、水温は23℃以上であることが望ましく、上級者や高学年であっても22℃上の水温が適当といえます。水温と気温の差は、水温が若干低くても気温が高ければ不快感は少ないし、反対に水温が高くても気温が低ければ快適ではありません。以上のことから、ここに示した水温はあくまで目安であり、プールを使用するかどうかについては、対象者の学年、能力、水温、気温、学習内容などを考慮して判断することが大切です。
文部科学省
学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」
より引用
A3.
初期ならば、遊離残留塩素濃度を2~5mg/L程度とし、一晩放置する(藻が枯れる)。その後、ろ過器により除去する(ろ過器の逆洗などの管理をする)。予防法は、基準の遊離遊離残留塩素が切れないようにする。
A4.
水質管理については「学校環境衛生基準」を参考にして、安全と衛生管理に努めてください。シャワーや腰洗い槽、足洗い槽がないことが多く、プール水が汚れがちなので、水質管理には特に注意が必要です。
A1.
無機塩素系①②と有機塩素系③があります。無機、有機の薬剤同士を混合すると急激な塩素ガスの発生を起こし危険なので、どちらか単独使用しているのが一般的です。
1. 次亜塩素酸ナトリウム液NaOCl(例)ダイクリン
・水溶液で、有効塩素含有量は5~12%、無色―淡黄緑色、透明で塩素臭がある。
・分解を防止するため水酸化ナトリウム(NaOH)を加えpH13以上の強アルカリ性である。
分解はpH7以下で急速に促進され、酸を加えると塩素ガス(Cl2)を発生する。
2. 次亜塩素酸カルシウムCa(OCl)₂(例)ハイクロン、高度さらし粉
・白色の顆粒又は錠剤で、有効塩素含有量は約70%である。
・1%水溶液はpH11と強アルカリ性である。
3. 塩素化イソシアヌル酸(例)ハイライト
・3塩素化物(有効塩素含有量90%、商品名 ハイライト90)
・2塩素化物(有効塩素含有量60%、商品名 ハイライトエースG)
白色の顆粒又は錠剤で、液性は酸性である
A2.
学校環境衛生基準では「0.4mg/L以上であること、また1.0mg/L以下が望ましい。」となっています。しかし、高めの濃度を指導(0.7~1.0mg/L)して下さい。理由は、遊泳者による消費、また、直射日光(紫外線)により分解が考えられます。ちなみに、次亜塩素酸Caは10分程度、イソシアヌル酸は30分程度で0.1mg/L減少するとされています。開始時1.0mg/Lであっても終了時(50分後)0.5mg/Lに減少することも考えられます。
A3.
プール熱はアデノウイルスが原因です。ウイルスは0.4mg/L以上の遊離残留塩素濃度で死滅するので、基準の濃度を維持していればプールは感染経路とはなりません。念のため、高めの濃度(0.7~1.0mg/L)を指導してください。
【皮膚の学校感染症について】
・プールに入ってもいいの?
1) 伝染性膿痂疹(とびひ)
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止してください。
2) 伝染性軟属腫(みずいぼ)
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けてください。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。
3) 頭虱(あたまじらみ)
アタマジラミが感染しても、治療を始めればプールに入って構いません。ただし、タオル、ヘアブラシ、水泳帽などの貸し借りはやめましょう。
4) 疥癬(かいせん)
肌と肌の接触でうつります。ごくまれに衣類、寝床、タオルなどを介してうつることがありますが、プールの水ではうつることはありませんので、治療を始めればプールに入っても構いません。ただし、角化型疥癬の場合は、通常の疥癬と比べ非常に感染力が強いので、外出自体を控える必要があります。
平成26年9月 日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会 「学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」
https://plaza.umin.ac.jp/~jocd/pdf/1605_kenkai_pool.pdf
A4.
高濃度の塩素により悪化させる可能性があるので、腰洗い槽の使用に配慮するよう助言する。
A5.
アタマジラミが感染しても、治療を始めればプールに入って構いません。ただし、タオル,ヘアブラシ,水泳帽などの貸し借りはやめましょう。
A1.
廃棄については学校長の判断、薬剤師はあくまで助言者の立場です。理科室等の有害物質は法的規制があり、専門の産業廃棄物処理業者に処理を委託する廃棄となります。