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22.化学物質のリスクも管理

平成18年3月20日掲載

暮らしを取り巻く化学物質による健康リスクが増大している。リスク管理と薬剤師の役割を解説する。

日本の高度成長は私たちを便利で豊かな国に導きましたが、その反面、様々な環境因子に大きな影響を与え、負の産物も生み出してきました。これは先進諸国に限ったことではなく、発展途上国でさえも、地球の生態系を脅かしています。

私たちの体内には、汚染された大気・水・土壌などから食品を介して、残留農薬、PCB、ダイオキシン、水銀などが取り込まれていることが明らかになり、食品の安全性評価や化学物質のリスク管理が重要視されるようになりました。

これらの化学物質は、摂取した本人だけでなく、感受性の高い胎児期において曝露されることにより、出生後に学習機能、免疫機能、生殖機能の変調を引き起こす可能性があります。昨年、厚生労働省は、魚介類中に蓄積している水銀による胎児への影響を懸念した安全管理上の措置として、妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項を発表しています。

今日、飲食や呼吸を通して体内に取り込まれるものには、何らかの化学物質による健康リスクが潜む可能性があります。たとえば、調理器具のこげつき防止や防汚物質の製造に用いられるパーフルオロオクタン酸や建築物の難燃剤として用いられるポリ臭化ジフェニルエーテルの健康影響への未解決問題、アスベストによる肺ガンや悪性中皮種発症の問題などがあり、生活環境中に健康リスクが増加しています。

薬剤師は薬のスペシャリストとしてだけでなく、食品や日用品等に含まれる化学物質のリスク評価に関する十分な知識と解析技術を持っており、国民の安心と安全を守るために多方面において活躍しています。

静岡県立大学 講師 加藤善久
静岡県立大学
講師 加藤善久

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